制 作 の 辞
武蔵野の雑木林は、落葉堆肥や木質燃料を採取する為の人工林で、人手が入っているからこそ、その佇まいは美しい。
それに気付いた時、武蔵野に雑木林を探して画布に画き留め、インタネットギャラリー「絵に見る武蔵野の雑木林」
にアップロードする作業を始めました。
武蔵野台地は、東京都北区の西ヶ原辺り、飛鳥山から旧古河邸を経て上野大地へと続く武蔵野台地東縁崖線で終わり、
その崖線下には京浜東北線が走っています。
武蔵野台地の東の端に位置する旧古河邸に武蔵野の面影を探して入ってみて驚きました。この洋館の2階から垣間見る風景の
なんと静謐で、武蔵野を彷彿とさせることでしょうか。
この絵画展では旧古河邸に武蔵野の俤を偲び、小川手漉和紙(小川手漉和紙のあるものは「ユネスコ無形文化遺産」)
にパステルで画いた作品や、キャンバスに油彩画で画いた作品、武蔵野の風景画を展示しています。
雑木林、それは人為と自然の絶妙な関りが四季に美しく移ろう持続可能な生態系なのです。
武蔵野の雑木林と旧古河邸の趣を、建物や庭園、絵画を通して味わっていただければ、幸甚です
2023年9月
池田貴昭
後援 (公益財団法人)大谷美術館