【国営武蔵丘陵森林公園 黄葉の柳谷沼】   2001年11月  
                      油彩画  15F 65.2×53.0cm    楽環 

古鎌倉街道が、この公園の南口から入って、西口付近やや北よりから土塩方面へと抜けるあたりには

谷戸が入り込み、比企丘陵特有の沼が点在している。そういった沼の一つが「柳谷沼」である。

この辺りの沼は、特別な見せ場として演出されているわけでもなく、あたかも見捨てられ、忘れられ

たかのようにただひっそりと雑木林に埋もれている。沼に沿って散策用の園路が設けられているが、

この辺りを入園者が訪れるのは、マラソンか、駆け足のトレーニングか、はたまた何らかのイベント

ルートに設定されている場合くらいで、所謂散策目的で足を運ぶ人はあまり見かけない。前回、

一回目の写生に訪れた時、武蔵野ではすでに絶え果てたと思っていた「我も紅」がそこかしこに揺れ

ていた。秋が深まり行くにつれ、雑木林は燃立つばかりの紅葉に沼面を映えさせて見せるのである。


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