【あざみ窪沼沿いの雑木林】 2001年7月 油彩画 15F 65.2×53.0cm 楽環 |
国営武蔵丘陵森林公園内の鎌倉街道脇にあるあざみ窪沼沿いの雑木林である。 この年、2001年の夏は、武蔵野がその前年を上回る異常な酷暑に見舞われた年であった。 前年度は熊谷気象台始まって以来の最高気温を記録したが、1年にしてそれを塗り換え、 しかもこの年は連日のようにそれを書き換えたのである。この絵を画いたのは2001年7月の 中頃であったが、その日もまさに酷暑更新の日で、鳩山町で39.6℃を記録した。樹間から 射し込む木漏れ日のあたる地面からは、今にも焦げた青煙と共にポット炎が立ちのぼりそ うな錯覚に見まわれる。蚊に備えて蚊取り線香を用意していたが、気温が高すぎるせいか、 蚊も寄ってこない。この日射あたったら最後、蚊なぞ一瞬の炎に化してしまうのではないかと 思われるくらい暑い。画いている間にも、汗が止め処も無く噴出し、まるで服を着たまま水を浴 びたように汗で服がびしょ濡れになる。首に巻いたタオルを何回絞ったことであろう。こうして この日4~5時間も画いたのであるがついぞ他の入園者に出会うことも無く、公園を後にした 次第である。
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