【上尾市 上郷 保存林はだら雪】 2001年1月 油彩画 15F 65.2×53.0cm 楽環 |
これは埼玉県上尾市上郷の保存林を画いたものである。2001年1月21日、前日に降り続いた雪 もみるみる溶けて行く。溶ける雪を惜しみ、近所の保存林に出かけ、昼前から画き始めた。足元はぬか るみ、既に林床が露出している場所もあって、未だ溶けやらぬ雪がはだら雪となってみるみる雫に変わ ってゆく。濡れた落ち葉はますます赤い。画き始めて間もなく木枯しが吹き始め、気温がぐんぐん下が り、雪解けの滴る音がピタリと止まった。澄み切った空は暗いまでに蒼く、冷えた空気の中で凛々 とそびえ立つ木々は神秘的でさえある。葉を落とした低木の樹梢はまるで絹糸の如く白く陽光を反射し て光っている。昨夜の雪の重みに耐えかねたのか、太いくぬぎの枝が、今にも落ちそうに垂れ下がって いる。どこにでも在りそうな武蔵野の冬景色である。
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