【川越市中台の雑木並木】 2000年11月 油彩画 15F 65.2×53.0cm 楽環 |
埼玉県川越市今福の中台にある雑木林沿いの小経を描いたものである。2000年11月18日、 描き始めたのは午前9時前で、昼には所要があって東京に出かけるので、11時には筆を置き帰宅す ると云う慌しい一日であったが、それでも現地で1時間程は画けたであろうか。幸い、抜けるよう な青空と透明な秋の陽射しを受けて、雑木並木はキラキラと明るく輝き、どうしても現地で画かね ばと思っていた並木の向こうに透けて見える遠景が画けたので、この日の目的は十分達した。画き 始めると、近所の主婦と称する婦人がやってきて語り始める。彼女の家は茅葺の民家であったが、 最近現代的な家に建替てしまったこと、その時画家に頼んで茅葺の家を画いてもらいそれを飾って いることなど。風景を画いていて、近所の人からその地の事を色々聞くことが出来るのは実に写生 の醍醐味の一つでもある。不思議なことに、人はなぜか風景と肯定的に交わる者に心を開くようで ある。この場所を画くのに、それから余り天候に恵まれなかったせいもあり、この日も含め4日の 日数を当てることとなり、仕上げの最終日は11月26日であった。
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